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宮島はいつから観光地になったのか

 今年の宮島の来島者が450万人に達する見通しだという記事が新聞に掲載されましたが,このように多くの人が訪れる宮島について,「宮島が観光地となったのはいつからか」という質問がありました。宮島は厳島神社を中心として島全体が神聖な場所とされ,古くから多くの人々に信仰されてきたことは知っているが,いわゆる「観光地」となったのがいつ頃なのかが知りたいとのことです。
 宮島が「日本三景」のひとつであることは知られていますが,『宮島町史 資料編・地誌紀行1』の解説によると,寛永20(1643)年に出された『日本国事跡考』が「現在,日本三景と称される松島・天の橋立・厳島の三カ所を「奇観の処」として数え上げた最初の文献と考えられて」いるそうで,江戸時代から作られるようになった「名所記」が「人々を寺社めぐり・名所めぐりなど物見遊山の旅に誘う契機となった」とあります。さらに,京都の書店が宝永八(1711)年に貝原益軒の『京城勝覧』を,携帯に便利な中本(ちゅうほん)仕立てで,上段に説明,下段に挿絵という体裁で出版して評判になり,これをうけて作成された芳野山・丹後国橋立・陸奥国松島・安芸国厳島を合冊した『本朝四勝記』が,「厳島が挿絵に描かれ,和文体の記事とともに出版された最初のものであり,これによって多くの人々に厳島が親しまれる契機となったと考えられます。」と書かれています。
 質問者の方は,この解説に納得されたようでした。

 ※ 中本(ちゅうほん):大きさが,半紙本(半紙二つ折りの大きさの本)と小本(こほん:半紙本の半分の大きさ)の中間の本。

 このレファレンス事例は,国立国会図書館レファレンス協同データベースに掲載しています。調査した資料の詳細については,こちらをご覧ください。
 http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000226167