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写真資料のインターネット公開に当たって
広島県立図書館は,かねて,その所蔵する貴重資料のデジタル化を検討してきましたが,この度,そのうち特に重要なもののデジタル化を先行して行い,インターネット上に公開することとしました。
原子爆弾による廃墟から復興しつつある昭和22年の広島を紹介した『LIVING HIROSHIMA(生きているヒロシマ)』(廣島縣觀光協會,昭和24年)という写真集があります。
当館が所蔵する三つの写真帳,すなわち,「木村伊兵衛写真集」,「菊池俊吉写真集」及び「大木実写真集」は,その制作に携わった,当時の一流カメラマンが撮影した,合計4,588枚の写真のコンタクトプリントを収めたものです。
これまで,しばしばマスコミ等にも取り上げられ,「廃虚から復興へと歩みだす広島をプロカメラマンたちが撮った貴重な記録写真」(平成23年10月30日付け中國新聞)との高い評価を頂いています。
これら三つの写真帳は,『LIVING HIROSHIMA』発行の「責任者」であった田中嗣三(たなかつぐぞう)さん(平成6年没)が,「永久保存して多くの人に見てもらいたい」として,昭和54年,当館に寄贈してくださったものです。
これらを,将来的にも良好な保存状態で伝えていくとともに,一人でも多くの方に御覧いただくこと,換言すれば,こうした貴重資料の「利用」と「保存」を両立させようというのが,今回のデジタル化の目的なのです。
こうした現代の写真群をインターネット上で公開することは,各々の撮影者の御遺族や関係者の皆様の御理解と御協力なくしては成し遂げられませんでした。改めて厚くお礼を申し上げます。
特に,撮影場所の特定に当たっては,広島平和記念資料館の全面的な協力を得るとともに,同館作成のキャプションを多数使用しています。
また,東京都写真美術館専門調査員の金子隆一さんには,撮影者の評伝を執筆していただいたほか,様々な御助言を頂きました。ここに記して,深く敬意と感謝の意を表します。
平成24年3月21日
広島県立図書館長 内 田 健 二