○タイトル:『武田百合子全作品 4:犬が星見た』
○著 者:武田 百合子/著
○出 版 者:中央公論社 1995(平成7)年
○内 容:武田百合子とその夫,泰淳,そして中国文学研究者の竹内好の三人は,昭和44(1969)年に船に乗ってユーラシア大陸に旅立ちました。
武田百合子は,その当時のロシアという巨大な国に暮らす人々の様子や風景のありのままを鋭く透きとおった眼で写し出します。食事の記録もあり,銭高老人をはじめとするユニークな旅の同行者たちが生き生きと描かれます。
「まことに,犬が星見た旅であった」とは,あとがきにある武田百合子の言葉です。自分を犬にたとえ,そして星を見たに等しい旅であったと振り返っています。読み終えた私もまた星を見た心地です。
請求記号:【914.6/94タ/4】
(資料課 前田)