オススメ本『京都「私設圖書館」というライフスタイル』(第297回)

○タイトル:『京都「私設圖書館」というライフスタイル

○著  者:田中厚生/著

○出 版 者:コトコト 2018(平成30)年

○内   容:「型にはまらない生き方」と聞いて,どんな生き方を思い浮かべるでしょうか。職を転々とすること?放浪の旅に出かけること?
 ひょんなことから図書館を作ることに行き着いたのが,この本の著者でした。
 京都・銀閣寺近くにある「私設圖書館」。明治時代の本を多く読んできた著者のこだわりで,あえて旧字体の「圖」を使用しています。本に囲まれた落ち着いた空間で自習や読書をすることができる場所を作ろうと,著者が約50年前に設立した施設です。運営費を稼ぐために一時はサラリーマン生活も経験しながら,「私設圖書館」を続けてきました。
 公共図書館のような図書館サービスは行わず,入館料(滞在時間によって変わる)を払って利用するシステムです。
 家具や照明も落ち着いた雰囲気のものをこだわって選び,摺りガラスの衝立越しに座る人の気配を程よく感じながら集中できるので,受験生や研究者などが多く出入りしています。
 読書や図書館が好きな人にとっては至福の空間とも思える場所を,本書を通して疑似体験してみてください。

  請求記号【016.2/118タ】

(調査情報課 矢野)