オススメ本『刀と日本語:刀からうまれた日本の言葉 新装増補版』 (第305回)
〇タイトル:『刀と日本語:刀からうまれた日本の言葉 新装増補版』
〇著 者:調所 一郎/著
〇出 版 者:里文出版 2020(令和2)年
〇内 容:刀からうまれた日本語と聞いて思い浮かぶ言葉があります
か。この本では語源が,親しみやすいイラスト付きでユーモアを交えて説明されています。美しい鍔(つば)や鞘(さや)などのカラー写真も豊富で,刀の構造を詳細に伝えているところも特長です。
たとえば私の好きな「研ぎ澄ます」は,本来は何段階もの精密な研ぎを繰り返しながら,鉄の粒子の粒を揃え,刀を一点の曇りもない輝く澄んだ状態にすることを意味する言葉でした。現在では人間が精神を高める状態として使われていることは,刀と日本人との強い結びつきを表しているようで,興味深いことです。
本に掲載された数十の言葉を読んでいると,千年もの昔から刀が日本人の傍らにあり,相棒のように身近なものとして生き続けた歴史が伝わってきます。
〇請求記号:【812/120ス】
(資料課 前田友)