オススメ本『中世の写本ができるまで』(第282回)

○タイトル:『中世の写本ができるまで

○著  者:クリストファー・デ・ハメル/著

○出 版 者:白水社  2021(令和3)年

○内  容:
 機械による印刷技術が発明される前,本は一点一点が両手を用いて筆写され,製本されていました。

 どのような人々が「写本」を制作していたのか,「筆写」を行っていた「写字生」の仕事全般,紙やインク,羽根ペンといった材料をどのように使っていたのかを,豊富な図版と共に紹介しています。

 当時,写本の図像作成に使われていた「図案集成」や「見本帳」の機能は,現在の「イラスト集」とほぼ同様なのが驚きです。

 カラー図版で掲載されている写本の数々は,1000年以上前に作られたものとは思えない程,色鮮やかです。

○請求記号:【022.2/121ト】

(資料課 中原)