深安郡加茂村(現福山市)出身で,『黒い雨』,『山椒魚』などの作品で広く知られる作家・井伏鱒二。今回は,その人柄や日常の姿を伝える本を御紹介します。
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『連理の軌跡:井伏鱒二と節代夫人』 舘上敬一/著 文藝春秋企画出版部 2017【H91/イフマ117ア】
福山市の元市会議員で,井伏鱒二の地元での顕彰に尽くした著者が,井伏夫妻との約15年間の交流を綴っている。晴れがましいことを避けようとする井伏に,広島県名誉県民賞第1号を何とか承諾してもらったエピソードなど,どこか微笑ましい思い出の数々が語られている。
井伏鱒二と交流を持った人物が,それぞれの関わりから,井伏鱒二の在りし日の姿を語っています。
[他にも…]
『井伏鱒二:サヨナラダケガ人生』川島勝/著 文芸春秋 1997【H91/イフマ97ア】
著者は,文芸雑誌「群像」の元編集者。44年もの歳月,お酒の付き合いはもとより,旅行や釣り,作陶などのお伴をしてきた。そんな身近に接してきた人物ならではの視点で,井伏との思い出や,井伏の周りに集った人々のことを記している。
『清水町先生』小沼丹/著 筑摩書房 1997【H91/イフマ97ア】
小説家で英文学研究者でもある著者が,終生の師と仰いだ井伏について書いた随筆や解説の中から精選したものを収録している。朝早く,清水町に住む井伏の自宅を訪問し,日が暮れるまで帰してもらえなかった「将棋」の話など,長年にわたる子弟の交流が,ユーモアを交えて語られている。
『井伏先生の書斎』藤谷千恵子/著 求龍堂 2004【H91/イフマ104ア】
子どもの頃から絵が好きで画家を志して美術学校に通ったこともある井伏鱒二。カバンの中にスケッチ帳や水彩絵具を入れて,旅をしたことも。残された井伏の絵を探すために,著者がゆかりのある土地を訪ね,足跡をたどっている。
※【 】は,広島県立図書館の請求記号です。