新着参考図書案内(平成29年2月):類義語辞典

☆新着ピックアップ
『日本語シソーラス』
山口翼/編,第2版,大修館書店,2016【R813.5/116ヤ】

2003年刊の『日本語大シソーラス』の改訂版。「シソーラス」とは,類義語(同義語)辞典のひとつで,イギリスのロジェの『Thesaurus of English Words and Phrases』(1851)に始まる「語を意味から分類して配列したもの。分類語彙集。」(『コンサイスカタカナ語辞典第4版』)である。日本で初のシソーラスの試みである国立国語研究所『分類語彙表』(1964)が品詞別による分類体系としているのに対し,意味の近さを優先させた分類となっており,似た言葉が品詞の違いで分かれて掲載されるといった不便さがない。また,俳句の季語や和歌の枕詞・歌枕・古語を多く収録したという特徴がある。

☆いろいろあります <類義語を調べる本>

『日本語シソーラス』や『分類語彙表』は,似た意味の言葉を集めて分類しただけなので,その言葉の集まりの中からどの言葉を使うのが適切なのかを調べるときには,意味から言葉を探す類義語辞典が便利です。個々の言葉の意味や用例を示しているので,言葉選びの参考になります。

●日本のシソーラスの元祖
『分類語彙表』国立国語研究所/著,秀英出版,1978[初版:1964](国立国語研究所資料集 6)【814/Ko45】

●まずはこれから調べてみる
『日本類語大辞典』志田義秀,佐伯常磨/編,講談社,1974(原本:1909)【R813.5/N77】
日本で編纂された初めての類義語辞典。明治時代の辞書であり,現代語の収録はない。
『角川類語新辞典』大野晋,浜西正人/著,角川学芸出版,1981【R813.5/O67】
独自の「語彙分類体系表」に基づいて言葉を意味別に分類し,個々の言葉の意味を解説している。約6万語収録。
『類語大辞典』柴田武,山田進/編,講談社,2002【R813.5/102シ】
動詞・形容詞から99のカテゴリーを作成し,言葉の意味によって各カテゴリーに分類し,更にカテゴリーの中で品詞別に分け,個々の意味を記述している。約7万9千語収録。
『三省堂類語新辞典』中村明/[ほか]編,三省堂,2005【R813.5/105ナ】
「自然」「人間」「文化」を三本柱とした18ジャンルに言葉を分類。個々の言葉の意味と用例を記述している。意味分析の専門家による84のコラムもある。約5万語収録。
『早引き類語連想辞典』米谷春彦/編集,野元菊雄/監修,第2版,ぎょうせい,2008
【R813.5/108マ】
「思いついたイメージ的な言葉」から適切な言葉を導き出せるように工夫された,見出し語が豊富でコンパクトな辞典。

●使い分けを調べたいときに
『使い方の分かる類語例解辞典』小学館辞典編集部/編集,小学館,1994【R813.5/94シ】
類義語どうしで共通する意味,使い方の例を記述し,それぞれの意味と使い分けを解説している。
『日本語使いさばき辞典』東京書籍編集部/編,新版,東京書籍,2014【R813.5/114ト】
基本的な日常語129を検索キーワードとし,言葉を「様態・種別・形態・程度」の違いにより分類。グループごとに簡潔な解説を示す。和語・漢語・カタカナ語・新語を幅広く採録している。

●用例を参考にしたいときに
『てにをは連想表現辞典』小内一/編,三省堂,2015【R813.5/115オ】
同じ言葉が,文学作品の中でどのように使われているか,実際の文章例を採集した辞典。文章表現の違いによって,言葉の印象が変わることが感じられる。
『表現類語辞典』藤原与一/[ほか]編,東京堂出版,1985【R813.5/85フ】
日常的に使っている言葉を対象とし,文学作品から文例を「できるだけ長く」引用。広島大学名誉教授である藤原与一氏の呼びかけにより,同大学に置かれた研究会から生まれた辞書。

●こんな調べ方も
『逆引き同類語辞典』浜西正人/編,東京堂出版,1993【R813.5/93ハ】
合成語・熟語の語末の言葉から引く類語辞典。

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