広島の文学を巡る旅

松尾芭蕉といえば,東北を旅した『奥の細道』が思い浮かびます。
芭蕉は一度も広島を訪れていませんが,実は,芭蕉ゆかりの句碑が,広島県内にもあることはあまり知られていません。

[新着案内]

『芭蕉句碑で巡る安芸・備後』宇野久光/著,溪水社,2018【H93/マツハ118ア】
芭蕉の生涯や芸備の俳諧の歴史,広島県内にある芭蕉ゆかりの句碑25基についてまとめられています。後半部分では,県内を通る街道の宿場町や船の寄港地となった港町にある句碑を巡り,写真や句の解説を,現地探訪記とともに紹介しています。
紅葉の名所や景勝地にある句碑も多く,実際に句碑を訪ねる参考になる本です。

[他にも…]

広島県内各地の文学を巡る参考になるような本を集めました。

『広島の文学碑めぐり [正]』西紀子/著,渓水社,2009【H91/ニシモ109ア】
『広島の文学碑めぐり 続』西紀子/著,溪水社,2013【H91/ニシモ109/2ア】
原爆文学の碑や広島県内の万葉歌碑,鈴木三重吉の「千鳥」の碑といった作品ごとの文学碑や,宮島や倉橋島,因島といった場所ごとの文学碑,林芙美子や倉田百三といった著者ごとの文学碑など,様々なテーマで広島県内にある文学碑を紹介しています。

『ふるさと文学紀行』げいびグラフ編集部/編,菁文社,2003【H91/セイフ113ア】
司馬遼太郎や井伏鱒二といった有名作家の作品や,毛利元就や浅野内匠頭の妻瑶泉院など郷土ゆかりの人物が主人公の物語など,県北地域に関わりの深い様々な作品が取り上げられ,そのあらすじと解説がまとめられています。
作品だけでなく,その舞台となった県北の地にも,興味を魅かれる本です。

『林芙美子女のひとり旅』林芙美子/[著],角田光代,橋本由起子/[解説]著,新潮社,2010【H91/ハヤフ110ア】
北海道や屋久島,パリや北京など,国内外の各地で林芙美子が書いた紀行文や随筆を取り上げ,その土地での芙美子の生き方が解説された本です。写真が多く,また「芙美子の旅行術」と題したコラムもあり,旅行ガイドとしても楽しむことができます。
この本の中で尾道は,「<古里を持たない>という芙美子が、<旅の古里>と恋い慕」った,特別な街として紹介されています。

※【 】は,広島県立図書館の請求記号です。