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特別支援学校の図書館の工夫
令和7年5月~6月の間に、県立特別支援学校6校を訪問しました。
各校で取り組まれている、インクルーシブな(誰もが利用しやすい)図書館運営の参考になる工夫を御紹介します。

○ 配架の工夫
日本十進分類法に基づいて厳密に並べるのではなく、教科別・種類別に分けて配架している。書架には、色シールを貼った見出し板を付け、同じ色のシールを資料に貼って、児童生徒が自ら棚に返却できるよう工夫している。
色分けした上で、見出しにイラストやピクトグラムを載せている図書館もある。
返却だけでなく、自分で本を探し、選ぶ際の助けにもなる。



○ コーナーづくりの工夫
書架の上部にイーゼル等を置いたり、書架の棚の数段を空けたりして、面出し(表紙を見せて置くこと)ができるコーナーを作っている。表紙が見えるので、その本への興味・関心を高める効果がある。
面出しする本は、児童生徒が遠くから見ても何が描いてあるか分かりやすい絵で、カラフルなものが選ばれている。
並んでいる図書が多くて棚を空けられない場合も、季節や行事等に合わせて図書を入れ替える、面出しスペースを作る工夫が考えられる。

○ 図書館レイアウト図
利便性を高めるため、教科名など児童生徒に分かりやすい表記で、図書館レイアウト図を作成し、掲示、配布等を行っている。
点字を併記したレイアウト図を作っている図書館もある。


○ 破損した絵本の回収
人気の高い本は、ていねいに扱っていても破損することが多く、その修理を図書館担当者が行うこともある。
破損した本を回収するために、図書館内に専用の箱を用意し、児童生徒が破損した本を自ら入れる仕組みをつくっている。
担当者が破損した本をきちんと把握し、修理を行うための工夫である。