【ボランティアや学校関係者へのインタビュー】
授業の後,ボランティアや学校関係者の皆様にお話を伺いました。
◎ 本読堂さんへのインタビュー
○活動について
・ 月2回朝の読書の時間(15分間)に1年生~4年生と特別支援学級の5クラスに入って読み聞かせを行っている。現在のメンバーは6~7名で活動は16年続いている。
・ 学校とのやり取りは,教頭先生が連絡窓口となってくださっている。
・ 読み聞かせで読んだ本や感想等をノートに記録し,学校側にも見てもらっている。先生からも感想等を記入してくださることがある。また,「子ども司書」の児童が書き込んでくれることもある。
○選書等について
・ 季節感のあるもの,時事問題や今習っている授業の単元に関連したものなどを選んでいる。
・ 絵がはっきりし,遠くからも見えやすいかにも留意している。
・ 現代は家庭環境も様々で,いろいろな家族の形があることやジェンダーの問題もあるので,多様性という視点にも留意している。
・ 選書に迷ったときは,昔話を選んでいる。昔話は話自体が子供をひきつける力を持っている。
・ 高学年向けには,少し長目の絵本や気持ちが微妙に揺れる内容のものだったり,詩を取り入れたり,授業内容を反映したりといった工夫をしている。また,低年齢向けのものは避けている。
・ 低学年には,絵本の見開きで違う場面となっている絵本など,分かりにくくないかには注意している。
・ 読み聞かせに使う本は府中市立図書館や尾道市立みつぎ子ども図書館で借りたり,自宅にあるものを使ったりする。
・ この活動の中で一番大変なのは,選書。子供たちに喜んでもらえるかどうか真剣に悩む。
・ 読んだ後は,一定期間学校の図書室に置いて子供たちに自由に見てもらえるようにしている。
○読み方について
・ 自分の子供に読んで聞かせて反応を見ている。
・ ページをめくって一呼吸おいてから読むようにしているが,話の流れによっては,さっとめくってすぐ読むなどの工夫をしている。
・ 読みの練習はしっかりするようにしている。
・ 本番では,読む前に子供たちと少し会話をして,コミュニケーションを取ってから始めている。
○子供の反応や様子等について
・ 子供たちが保育所の頃から読んでいるので,目立った変化は感じないが,いつも熱心に聞いてくれる。
・ 子供が大人になって街で出会ったときに,「あの時はおもしろかった」など感想を言ってくれることがあり,活動を続けていて良かったと感じる。
・ 高学年になってくると,少し照れくさそうに聞いている。聞いていないように見えるが,ちゃんと聞いている。そういう姿に思春期をむかえているのだと成長を感じる。子供が幼児のころから読み聞かせを行っており,人間関係ができているので,難しい時期の高学年にも読み聞かせができるのだと思う。
・ 保育所の時から読み聞かせをしていることもあり,本が好きな子供が多く,よく聞いてくれる。そういう子供たちなので,読み聞かせをした時の反応もストレートに返ってくる。選書や読み手の力量が試される。
・ 子供たちが聞く姿勢ができているのは,自分たちの活動よりも,先生方の普段の指導の面が大きいと思う。
・ 新型コロナウイルスの影響による休業明けに久しぶりに子供たちに会ったら,なぜか分からないが,とても成長したように感じた。長年活動してきて,子供の成長に応じて,この時期にはこの程度の本という感覚があるが,例年通りだと子供たちが満足していないように感じるので,少し難し目の本も選んでいる。
※ この点について,校長先生は「祖父母を含め家庭でしっかり子供を見ていただいているのはもちろんだが,コミュニティで子供を見ていただいている点も良いように作用しているのではないか。」とおっしゃっていました。