職員からのお薦め本(6月3日)

職員からのお薦め本

○タイトル:『感染症の近代史
○著  者:内海孝/著
○出 版 者:山川出版社 2016(平成28)年
○内  容:目に見えず,原因もわからない感染症。昔の人は,どのようにこの強敵と戦ったのでしょうか。
 『感染症の近代史』には,1897年に日本で公布された「伝染病予防法」を切り口として,当時の人々が感染症にどのような対策をとったのか書かれています。また,法律の整備や外国の治療法の輸入,公衆衛生のための施設の整備事業などに加え,伝染病に対する民衆の反応も取り上げています。
 当時の民衆の姿からは,現代の私達がヒヤリとするものがあります。例えば,1877年にコレラが流行した際に,感染症の治療をしていた医師が,暴徒によって殺された事件。著者によると,コレラの流行時に暴動が起きるのは日本だけの特異な例ではなかったそうです。
 これほど極端ではないとしても,私達自身,新型コロナウィルス感染症が流行する中での生活に,適切な対処ができているのか,深く考えさせられた内容でした。

○請求記号:【498.6/116ウ】

(調査情報課 松本)


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