職員からのお薦め本(6月9日)
○タイトル:『日本人とリズム感:「拍」をめぐる日本文化論』
○著 者:樋口 佳子/著
○出 版 者:青土社 2017(平成29)年
○内 容:
「リズム感が悪い、悪い、悪すぎる」・・・
この本では,なんとなく始めたチェロ教室で,音大出たての先生にひどく怒鳴られた著者が,日本人特有のリズム感について説明しています。
第二章では,古来,主に稲作を行っていた日本人と,狩猟生活を送っていたヨーロッパ人とのリズム感の違いに触れています。例えば「相槌」では,日本人が,上から下に向けて,正拍のタイミングで頷くのに対し,ヨーロッパの人々は,下から上に向けて,裏拍のタイミングで相槌を打つそうです。リズム感というと,音楽やダンスに限った話だと思いがちですが,実は日常のちょっとした動作や仕草にも影響を与えていることが分かる興味深い視点です。
どんな曲に合わせても手拍子が盆踊りのリズムになるとお悩みの方,そもそも「裏拍」が分からない方,その謎を解く鍵はこの本にあるかもしれません。
○請求記号:【811.1/117ヒ】
(調査情報課 茅野)