職員からのお薦め本（２月３日）

〇タイトル：『一〇〇年前の世界一周：ある青年が撮った日本と世界』
〇著 者:ワルデマール・アベグ／写真・回想録，ボリス・マルタン／文，岡崎　秀／訳
○出 版 者：日経ナショナルジオグラフィック社　2009（平成21）年
〇内　　容：
　1905（明治38）年，ドイツ人の青年ワルデマール・アベグが，33歳の時に旅した世界一周の記録です。
　この本は，彼がドイツ製の２台のカメラで撮影した写真と解説から構成されています。写真の一部は後に着色され，臨場感溢れる風景からは，100年前にタイムスリップしたかのような感覚を味わうことができます。
　アメリカ，ハワイ，日本，朝鮮，中国，インドネシア，インド，エジプト等を巡り，故郷・ドイツへ。
　彼は，この旅で日本の美に出会い，衝撃を受けたようです。日本庭園，人力車，和室，桜並木等，素朴でありながらも堅実な当時の様子は生活の息吹が感じられ，インパクトがあります。
　また，ワルデマールは，世界一周の旅から50年後に，「その後の世界」として，原爆についても触れています。表紙の２人の日本人女性が被害に遭わなかったか思いを馳せる一節は，歴史の重みを感じさせます。
　海外旅行ができない昨今，約100年前の素晴らしい世界の風景を，この本で味わってみてはいかかでしょうか。

請求記号：【290.8/109ｱ】

（調査情報課　反田)