〇タイトル:『等伯』上・下
〇著 者:安部龍太郎/著
〇出 版 者:日本経済新聞出版社 2012(平成24)年
〇内 容:
今年10月,11月に東京国立博物館で開催された特別展「桃山-天下人の100年」では,国宝の水墨画「松林図屏風」が展示され,メディア等で注目すべき作品として取り上げられました。また,この「松林図屏風」は毎年1月上旬に展示されるなど有名な作品です。
戦国時代,主人公の長谷川又四郎信春(等伯)は能登近辺で活動していた仏画専門の絵師でした。一流の絵師を目指す等伯は故郷の七尾を離れ,数々の困難に遭いながら懸命に絵を描いていきます。
この小説での等伯は,激情のまま行動することもありますが,純朴でとても家族思いの面が書かれています。家族もそんな等伯を大切に思い,支えていく場面に感動します。
豪華絢爛さが桃山美術の特徴とされています。そのなかでなぜ,墨の濃淡で表現された「松林図屏風」が誕生したのか。長谷川等伯の人間ドラマをダイナミックに描いた小説です。
○請求記号:【F/アリ112/1~2】
(事業課 中森)