職員からのお薦め本（9月9日）

タイトル：『カタツムリが食べる音』
著　　者：エリザベス・トーヴァ・ベイリー／著　高見浩／訳
出 版 者：飛鳥新社　2014（平成26）年
内　 容：
　この物語は，原因不明の難病にかかり，ベッドで寝たきりの生活を送る女性が出会ったカタツムリとの交流を描いたノンフィクションです。
　著者がカタツムリに関心を抱いたのは，深夜カタツムリが食べる音に耳を傾けた時です。その小さな音を聞くうちに，同じ時間，同じ場所で共に生きているという仲間意識が芽生えたといいます。
　著者の大切なパートナーであるカタツムリは，大胆で疲れを知らない探検家でした。本書の面白さは，著者の鋭い観察眼と，様々な文献からカタツムリの情報を拾い集める探究心により，謎と驚きに満ちたカタツムリの生態が情感豊かに語られているところです。
　カタツムリと過ごした時間は，著者に人間の世界を新たな目でとらえ直すきっかけを与えてくれました。
　「歩みがどんなに遅かろうと，できることはたくさんある。」という言葉に，私も励まされました。

請求記号：【484.6/114ﾍ】

（資料課　松井）

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