職員からのお薦め本(10月13日)
○タイトル:『新しいチンパンジー学:わたしたちはいま「隣人」をどこまで知っているのか?』
○著 者:クレイグ・スタンフォード/著,的場 知之/訳
○出 版 者:青土社 2019(令和元)年
○内 容:
この本は,1990年代後半以降約20年間の最新の野生チンパンジー研究をまとめたもので,チンパンジーの食料や社会構造,繁殖などについて書かれています。
特に興味深いのは,群れのトップをめぐるチンパンジーたちの駆け引きです。彼らは,同盟を組んでライバルを蹴落としたり,手に入れた肉を群れの仲間に平等に分配して自分の順位を上げたりします。トップの座から下ろされたチンパンジーは殺されてしまうこともある一方,トップの座から離れた後も,影の実力者として複数のチンパンジーから一目おかれた存在として生活するものもいます。
観察されているチンパンジーたちには名前が付けられており,読んでいると,まるで人間の社会を見ているような気がしてきます。
○請求記号:【489.9/119ス】
(調査情報課 松本)