○タイトル:『野馬追を生きる 南相馬を生きる』
○著 者:阿部珠樹/著 イースト・プレス 2014(平成26)年
○内 容:相馬野馬追(そうまのまおい)とは,甲冑競馬や馬を素手でとらえる野馬懸(のまがけ)などを行う,平将門の時代から千年もの歴史を持つとされる伝統行事です。しかし,東日本大震災の津波と福島第一原子力発電所事故によって,その歴史と伝統が途絶えかけました。自身も被災し,家族を失いながらも相馬野馬追開催のために奔走する一人の男性の半生を追ううちに,南相馬の人々が半農半漁の生活の中で馬と共に生きてきた歴史と,戦後の人口減少を食い止めるべく原発と共存せざるを得なかった経緯が浮かび上がってきます。原発事故により生活も文化も根こそぎ奪われながらも,伝統を受け継ぎ,次の世代へ繋ごうとする人々の情熱に,心打たれる1冊です。
○請求記号:【386.1/114ア】