〇タイトル:『スイカのタネはなぜ散らばっているのか:タネたちのすごい戦略』
〇著 者:稲垣栄洋/著 西本眞理子/絵
〇出 版 者:草思社 2017(平成29)年
〇内 容:
道を歩いていると,「あれ,こんなところに花が咲いてる。」と思うことがあります。普段は動くことができない植物が,移動できるチャンスは2回,「花粉」と「種子」のときだけです。本書は,このわずかなチャンスを生かして,生き延びるために知恵と工夫をこらす植物の姿が紹介されています。
例えば,トゲトゲの実がよく服にくっつき,子ども時代に投げ合って遊んだオナモミ。実の中には,早く芽を出すやや長い種子と,遅れて芽を出すやや短い種子の2種類が入っています。どうして2種類あるのか? それは,早く芽を出して他の植物より有利に成長するか,除草剤がまかれたり,地面を耕されたりして全滅しないように慎重に芽を出すか,両方の場合に備えているのです。「ひっつき虫」のオナモミは,用意周到な植物だったのですね。
小さな種子の中にたくさんの秘密が隠されていることを知ることができる1冊です。
請求記号:【471.1/117イ】
(資料課 松井)